令和5年8月に、農林水産省より最新の「食料需給表」が公表されました。食料自給率を2030年までにカロリーベースで45%まで上昇させるという国の目標に対して、令和4年度(2022年度)の日本の食料自給率は、カロリーベースで38%、生産額ベースで58%となりました。これは、過去最低を記録した2018年度からわずかに改善されたものの、依然として低い水準にとどまっています。これらの要因として「高齢化・担い手不足」「耕作放棄地の増加」等が挙げられます。
〇高齢化等による担い手の減少
基幹的農業従事者(※)は2015年175.7万人(65歳以上64.9%平均年齢67.1歳)2020年136.3万人(65歳以上69.6%平均年齢67.8歳)と5年間で39.4万人月平均7.8万人が減少しています。それに相変わらずの高齢化傾向が進んでいます。(※)「農林水産省基幹的農業従事者数の推移 農林業センサス」より
新規就農者数は2015年には6万5,000人(新規自営農業従事者5万1,000人、新規参入者3,500人、新規雇用就農者1万400人)2020年には5万3,700人(新規自営農業従事者4万100人、新規参入者3,500人、新規雇用就農者1万人)と、多少の増減はあるものの、ほぼ横ばいです。しかしそれ以上に毎年数万人単位で農業従事者数が減少するというのは、新規就農者を上回る離農者がいることを示しています。
※新規自営農業従事者……調査期日前1年間の生活の主な状態が「自営農業への従事が主」になった者
※農林水産省「新規就農者数の推移 新規就農者調査」より
〇耕作放棄地の増加
耕作放棄地や荒廃農地の増加も、深刻な問題です。雑草や害虫の発生、廃棄物の不法投棄、災害時の危険性が高まる、野生動物の行動圏となり周辺の農作物被害も起こる。近年の耕作放棄地の面積推移を見ると、2010年(平成22年)の農林業センサスでは39万6,000ha、2015年(平成27年)には42万3,000haというように僅かに増加を続けています。高齢化や労働力不足により作付けが出来なくなり耕作を放棄する状況になっています。
〇今後の取り組み
・農地の集約化(集落営農)
集落単位で共同による農作業をしたり、農業経営を分担したりする「集 落営農」の取り組み 農地の集約によって農作業の機械化やスマート農業が推進され、生産コストを抑えながら持続 可能な農業経営を目指せるようになります。
・スマート農業の導入
IoTやAIといった最新技術でビッグデータを分析して農作業の効率化や省力化を大幅に進めて農業の生産性を高める取り組み。
・6次産業化による販路拡大
作物を市場に出荷するだけでなく、加工品を販売したり収穫などの体験を提供したりする6次産業化も販路拡大には有効です。
・農地バンク(農地中間管理機構)
農地バンクへの登録により、借り手(受け手)を探してもらうことができ、不要な農地を貸し出すことができます。
・バイオスティミュラントの活用
持続可能な農業に課題解決の活路を開く「バイオスティミュラント」「植物が本来持っている能力を引き出し、植物の活力や収量、品質、収穫後の鮮度保持能などを改善させよう」 という新技術として注目を集めている。農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」において革新的農業技術として言及され、急速に関心が高まっています。
当社は、農業事業の提案、新規就農者の募集・サポートなどを事業化しております。日本の農業をアップデートしたい。私たちの農業は本気です。
詳細は下記よりご確認ください。