水前寺菜、(学名:Gynura bicolor)は、熱帯アジア原産のキク科サンシチソウ属の多年草であす。
標準和名では「水前寺菜(スイゼンジナ)」といい、熊本県の水前寺地区(現在の熊本市中央区水前寺町)で湧き水を利用して栽培されたことから水前寺菜と呼ばれるようになったそうです。金沢では「金時草(キンジソウ)」と呼ばれています。石川県金沢市の伝統野菜「加賀野菜」金時草は伝統野菜とされている石川県金沢が主な産地です。沖縄では「ハンダマ」と呼ばれ、やはり伝統的農作物として扱われています。その他、宮城県山元町金時草「伊達むらさき」、群馬県藤岡市金時草「ふじ美草」静岡県浜松市「すみれ菜」、京都府長岡京市「ガラシャ菜」という名称で生産流通されています。
水前寺菜(金時草)は暑さに強い野菜で、夏に盛んに成長するので、その時期に主に収穫されます。逆に冬は地上の葉は枯れてしまうので、収穫は11月頃には終了となります。金時草が美味しい旬の時期は夏7月から9月頃と言えます。
ハンダマ(水前寺菜)とは
水前寺菜の健康効果
◎生活習慣病の予防・改善効果
◎免疫力を高める効果
◎眼精疲労を改善する効果
◎精神を安定させる効果
◎骨粗しょう症を予防する効果
◆葉の赤紫色に含まれるポリフェノール
(生活習慣病の予防・改善効果、眼精疲労を改善する効果)
水前寺菜の葉の紫色はポリフェノールの一種、アントシアニンが含まれています。これには強い抗酸化作用があり、血糖値を抑える効果があるとされています。さらに、アントシアニンには視機能の改善や眼精疲労を改善するなど目に良い成分であると言われています。
◆γ-アミノ酪酸(GABA)
水前寺菜には血圧を調整する成分、アミノ酸の一種γ-アミノ酪酸(GABA)が多く含まれており、これによっても血圧上昇を抑える効果がある事が分かっているそうです。
◆豊富なベータカロテン(免疫力を高める効果)
水前寺菜は緑黄色野菜のひとつでもあり、βカロテンを豊富に含んでいます。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、活性酸素を抑え動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病から守るとともに、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きや免疫力を高める働きもあります
水前寺菜の紫色は「アントシアニン」。ポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持つことで老化防止、免疫力向上、眼精疲労の改善などの効果があるとされている成分です。水前寺菜のヌメリ成分は「粘液糖タンパク質の混合物」。粘液糖タンパク質の混合物は血糖値や血中コレステロールを下げたり、血液をサラサラにする効果、粘膜保護作用、抗ウイルス作用、細胞活性作用などの効果があるとされています。気持ちを落ち着かせるなど、抗ストレス作用のあるGABA(Gamma Amino Butyric Acid:ギャバ)も豊富だとか。他にも、カルシウム、鉄、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンCなどが含まれており、疲労回復や風邪の引き始め、貧血、イライラ、骨粗鬆症、夏バテ防止などに期待できそうです。
沖縄ではハンダマと言い、民間療法では古くから産後に、目やお肌に良いと言い伝えられ、女性にとってはとても有益な野菜とされてきました。
調理法
ゆでたものをおひたしや酢のものに。絞ったものはジュースに。ゆでるとぬめりが出て、口あたりがよくなります。他にも、天ぷら、炒め物、味噌汁、散らし寿司やゼリーなど、料理のバリエーションは工夫次第で広がります。
<お浸しの調理法>
1.太い茎から葉へ枝分かれしている箇所で、ポキポキとちぎります。
2.沸騰したお湯に葉をサッと入れて茹でます。
3.ザルにあけ、冷水で軽く洗います。
4.水気をしぼったら、食べやすい大きさに切り、器に盛り付けます。
5.お醤油に加えて酢をかけるのがお勧め。青紫色から鮮やかな赤紫色に変化し、すっきりとした味わいになります。二杯酢、三杯酢、ポン酢でもどうぞ。
他にも、水前寺菜の和えもの、たことはちみつのサラダ、水前寺菜の白和え、水前寺菜の天ぷら、水前寺菜ロールなどの料理があります。