スーパー野菜(おかわかめ)

食べ方

オカワカメはツルムラサキの仲間と言うだけに、やはりツルムラサキと同じように葉に厚みがあります。触った感じはしっとりとしていて、ゴムのような感触ですが、細く、または細かく刻むとぬめりが出てきます。 生のまま食べると青臭みが感じられますが、さっと茹でる事でかなり食べやすくなります。茹でた状態が見た目や食感ともにワカメとよく似ていることからオカワカメと呼ばれるようになったのでしょう。

  • 味噌汁やスープに 水洗いし、細かく切って投入。とろーとした食感になり、まろやかさが増します。
  • サラダに 好みの野菜と一緒にドレッシングで食べたり、そのままマヨネーズやポン酢などで食べたりします。食感は山芋とよく似ていて、とてもおいしいです。
  • おひたしに 沸騰したお湯に10秒ほどゆでた後、水でさらします。
  • 天ぷらに 食感は山海の珍味とも呼ばれる「タラの芽」に似ています。サクっとした歯ざわりと、とろりとした食感がまさに逸品です。 ※下ごしらえの際は十分に水気を拭きとり小麦粉をまぶしておきます。揚げる時に水分が残っていると、ころもごとはじいてしまいますので、注意が必要です。

特筆すべき美容効果

最近注目されている美容ミネラル(アンチエイジングミネラル)について

葉酸
  1. シミを防ぐ栄養素 新陳代謝を助けタンパク質の生成にも役に立っています。これによって肌細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)を促すことで、シミの元となるメラニン色素を排出し、葉酸の造血作用が血行の流れを良くし、シミやニキビ跡の改善にも役立ちます。
  2. 髪のツヤやハリを維持 髪を作るタンパク質の合成を助ける働きがあります。 髪のハリやツヤを維持できれば、美髪を維持するのにも役立ちます。
  3. 冷え性の改善 赤血球の生成を手助けしてくれる作用があり貧血予防にも役立ちます。
  4. 妊活、妊娠中におすすめ 葉酸やビタミンB12が不足すると、巨赤芽球性貧血というビタミン欠乏性貧血の発症に繋がってしまいます。葉酸は赤血球の形成や神経管閉鎖障害など、新生児障害のリスクを減らすために重要な役割を持つ栄養素だと言われています。妊娠を計画する女性への葉酸の積極的な摂取を厚生労働省が呼びかけており、2002年より母子手帳にも葉酸について記載されるようになりました。
亜鉛
  1. たるみ・黄ぐすみを防止(アンチエージング) 現代の食生活での糖質の過剰摂取は糖化生成物質が蓄積され肌の黄ぐすみやたるみが起きやすくなります。亜鉛は体内で糖分を代謝する役目を持っていますので、肌の糖化を防ぎ肌の黄ぐすみや、たるみを防ぐことが期待できます。
マグネシウム
  1. エネルギー代謝アップ マグネシウムが不足すると、細胞の生命活動に影響が生じ、引いては各臓器の機能も低下しさらに、中性脂肪の増加、HDLコレステロールの減少などが引き起こされます。
  2. リバウンドしにくいダイエット 脂肪分と鹸化反応を起こし、鹸化した脂肪分は吸収されにくくなることや、脂肪細胞からのアディポネクチン(痩せホルモンと呼ばれ、脂肪燃焼作用がある)の分泌を高める作用があるので緩やかなダイエットなのでリバウンドしにくいかも。
  3. 歯・骨を強くする 歯や骨はマグネシウムからもできています。実に体内のマグネシウムの50~60%が骨に存在します。おおまかには、カルシウムは骨の強度(硬さ)を高め、マグネシウムは骨の柔軟性や弾力性を高める役割をしています。硬度とともに柔軟性・弾力性を備えることで、簡単には折れなくなるのです。
  4. 血液サラサラに 血液を構成する赤血球には自分の形を変える“変形能”があり、マグネシウムが不足すると血液が毛細血管内をスムーズに流れにくくなります。 さらに、マグネシウムが不足すると血栓ができやすくなります。したがってマグネシウムを十分に補うと血液がサラサラになるのです。血液サラサラになることで冷え性や肩こりの改善にも役立ちます。
  5. 便秘解消に マグネシウムには水分を引き込む作用があり、これが便秘に有効に作用してくれます。マグネシウムを摂ると、腸内で水分を引き寄せ腸の内容物を軟化、膨潤することで、大腸への物理的刺激が生じ排便が促進されます。
βカロテン
  1. 抗酸化作用(アンチエージング効果) 体内で必要な量だけビタミンAに変換され、夜間の視力の維持や皮膚や粘膜の健康維持を助ける効果があると言われています。

育て方・栽培方法

howto 暑さに強く、初心者でも育てやすい野菜です。 多年草で、熱帯環境では周年緑の葉が茂っていますが、冬に低温となる本州では冬の時期は冬眠し、根塊の状態で越し、翌春にまた芽を伸ばします。なので、本州では春5月頃から秋に葉が枯れ始めるまで収穫することが出来ます。 熱帯環境に向いている植物ではありますが、それ程寒い地域でなければ容易に栽培できるようです。一般家庭でのプランター栽培も可能で、緑のカーテンとしても用いられています。 商業ベースでの大規模栽培は大分県の中津市が有名で、全国に出荷されています。

主な成分と効能

成分 成分量 効能
マグネシウム 62.3mg/100g 筋肉の機能を正常にする。自立神経失調症・糖尿病・狭心症・便秘・ガン
カルシウム 70.8mg/100g 骨や歯を形成、白血球の食菌作用を助ける。アレルギー・骨粗そう症・気管支炎・胃潰瘍
亜鉛 0.709mg/100g 細胞の新生を促す。高血圧・心筋梗塞・ガン・味覚異常
0.164mg/100g 血液をきれいにし、コラーゲンの生成に働く。貧血・静脈瘤・生理不順・生理痛・白内障
葉酸 24ug/100g 赤血球を形成し、免疫力を向上させる。皮膚のしみ・動悸・息切れ
ビタミンA 1740ug/100g 胃腸や肺の粘膜を強化する。視力・動脈硬化に効果

雲南百薬の主な成分のマグネシウムは特に突出していて、レタスなどの野菜の8倍近く あると言われています。 他の成分も、キャベツやピーマンなどの野菜と比べると遥かに高い数値になっています。

基本データ

呼び名 アカザカズラ(藜蔓)、雲南百薬(うんなんひゃくやく)、オカワカメ、マデイラカズラ
園芸分類 野菜、草花。 ツルムラサキ科アカザカズラ属
形態 多年草
原産地 熱帯アメリカ、熱帯アジア
草丈/樹高 3m以上(つるの長さ)
開花期 6月下旬~10月(収穫期)
花色
栽培難易度(1~5) 1
耐寒性 やや弱い~普通
耐暑性 強い
特性・用途 つる性、開花期が長い、香りがある、初心者でも育てやすい

文献

南米熱帯地域原産の薬草・食草のアカザカズラ(藜蔓)は、別名、雲南百薬(うんなんひゃくやく)、オカワカメ、マデイラカズラ等と言われ、沖縄で民間薬・食用として用いられています。

高さ2m~10mの蔓性の多年生植物で、地下は肥大した根茎があります。茎を挿し芽しても繁殖します。ハート形をした葉は肉厚で光沢があり、切ると粘りがでます。花は9月~10月にかけて、10~30cmの穂状の集合花(写真左)を多数つけ、穂の根元から順に咲きます。花の大きさは5mm位で最初は白色ですが、受粉すると黒くなりほのかな香りがします。果実はできず、沢山のムカゴをつけ増殖します。

沢山の薬効があることから,中国の雲南省で「百薬」と名付けられたことから「雲南百薬」と呼ばれています。葉にはマグネシウム、カルシウム、亜鉛のミネラル類、ビタミンA、葉酸などのビタミン類が多く含まれていると言われています。効能としては狭心症、腎臓・膀胱の病気、便秘、ガン、骨や歯の形成、アレルギー、骨粗鬆症、気管支炎、胃潰瘍、高血圧、心筋梗塞、免疫力増強等々と何でも効くように記されています。

しかし「ブラジル産薬用植物事典」には、収斂剤として内出血に用い、また気管支の病気や眼炎に用いるのみとあります。さらに、糖尿病、自律神経失調に良いなどの記載も、インターネット上で認められます。

また、中国の本には、藤三七(トウサンシチ)とよび、病後衰弱を治すと記されています。
※熊本大学薬学部付属薬用資源エコフロンティアセンターより